Good Sound Maker ブログ

オーディオ・音楽制作・ライブ演奏用機器のレビューやお試しネタなどなど。

前回の投稿のように、私はZOOM R8を使って再生しながらドラムで同期演奏をしています。
同期演奏では少なくともドラムの人は、表に出ていないクリック(=ドンカマ=メトロノーム)の音をイヤフォンやヘッドフォンで聴きながら演奏しなければなりません。そのためのイヤフォンってどんなのがあるのかなと調べてみたのですが、そこそこの予算でそれ用途を意識して作られているもの、いわゆるイヤモニは実はそんなに多くありません。

イヤモニをサウンドハウスで検索

同期演奏用イヤフォンのポイント

ドラムの同期演奏のイヤフォン・ヘッドフォンを買うときにはいくつか気をつけることがあります。

1. 頭を振っても取れないもの
2. 耳栓効果があるもの

ライブではついエキサイトして頭を振ってしまうもの。頭を振ってもぴったり吸い付いているのが大切です。そして耳栓効果。練習とライブでは出音の環境が全然違います。外から耳に入ってくる音を抑えた上でイヤフォンから出す音やその大きさを決めておき、本番につなげた方がよいでしょう。実際耳栓効果がないイヤフォンを使っていた頃には普段からクリックに合わせる練習をしているにもかかわらず、外からの音に影響されてクリックとずれたりすることがよくありました。

ということで SHURE や audio-technica の耳にぴったりしているイヤフォンを店頭で装着してみて、最終的に audio-technica ATH-IM70 を選択しました!

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わくわくしてくるパッケージ!

音質

これ、ダイナミックヘッドフォンの元気な感じ(表現を変えるとモコっとした感じ??)を基本としながらも細やかな音がすると感じます。さらに重低音に締まりの良さがあって、ゴリゴリのベースも輪郭がはっきり伝わってきます。まあでも大味といえば大味ですけど…。

ただし、通常のリスニング用途でしばらく使っていたのですがちょっと聴き疲れしてしまいました。個人的な感想では通常リスニングよりもモニタ用途に向いているのではないかと思います。

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装着感

ATH-IM70にはイヤーピースが二種類付いてきます。一つはiPhoneやWalkmanについているのと同じようなシリコン製のもの、もう一つは低反発な「コンプライTMフォームイヤーピース」です。私は後者を使っているのですが、こちらの方が耳の中で膨らんでなじみ、遮音感があります。ただ、シリコン製のものの方が長持ちするようです(と書いてありました^^)。
 
さらに、外側の赤い部分ですが、実はここがプラスチックで硬くて外耳にあたります。私は耳にぴったりだったのでそれほど気にならないのですが、これが痛くて買うのをためらっている人もいるようなので、装着感の確認はした方がいいでしょうね。

ケーブルの長さ

ケーブルは1.2mで、例えば同期再生の機材を床に置いた場合、ドラムの演奏に支障が出るので延長ケーブルを買う必要があります。まあこれは数百円のやつ。例えば機材が ZOOM R8 なら、ヘッドフォン出力は標準出力なので標準-ミニの変換も必要ですね。

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IM50との違い

audio-technicaの ATH-IM50 という下位機種と比較検討する人も多いと思います。
実際に比較してみた感想としては、音の傾向はよく似ていると思います。ただ、高域のまとまり感はIM70の方が上だと感じました。

実はライブでのテンポモニター用途に限ってはIM50でも遜色ないのではないかと思います。

SHURE SE215との比較

同じステージモニター用として販売されている SHURE SE215も比較対象にしてみました。
正直IM70を聴いた後でSE215を聴いたら ずいぶんこもって(もこって)聞こえます。これは両者の周波数特性を比較してもそうなのかもしれませんが、高域の落ち着きを求めるならSE215も選択肢の一つかもしれません。私は比較した上で audio-technica に絞りました。

 まとめ
 
audio-technica ATH-IM70 は遮音性もあり、装着感がぴったりしているのではずれにくく、同期演奏のモニター用に適しています。ただし外耳に赤い部分がぴったりつくような装着方法なので、耳になじむかどうか実際に確認してから購入した方がよいでしょう。

実は自分は同期用の機材の出力と他の生楽器の音をミックスしていないので、場合によっては片耳だけで同期を聴きながら演奏することがあります。そういう場合でもこれは耳にかけたままで外すことができるのでライブ中の着脱なんかもしやすいと思います。

同期演奏がしたい!どんな機材が必要?



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自分はドラマーなのでドラマーの慢性不足には何ら困らないのですが、どちらかというとキーボーディストが少なくて困ったりします。ピアニストはたくさんいてもキーボーディストは別物ですからね。もしくはDTMをやっている人は打ち込みは得意だけどリアルタイムの演奏は苦手、と言う人が多いかもしれません。ということで、最近のライブではドラムをシンセの打ち込み音に合わせてたたく(=シンセとの同期演奏)、という需要が多くなってきました。

しかしいざ同期演奏を始めようと思ってもあまり情報がなく、いろいろ調べたことをレビューっぽくメモしておきます。

アマチュアならばZOOM R8一択!



自分の演奏イメージとしては、まず、シンセの音はPC上でつくっておいて、それをライブハウスやスタジオのミキサーに出力することを考えます。そして、テンポを見失わないようにドラマーにはヘッドフォンでシンセ音+クリック音(=ドンカマ=メトロノーム)を出力します。ライブではドラマーである自分がシンセの音を開始し、クリック音に合わせてカウントを出してバンドの演奏を始めるのです。

模式図

このプランをパワーレックという楽器屋さんで話したら、「ZOOM R8」がおすすめですと言われました。え?R8?MTR(マルチトラックレコーダー)じゃん。マルチトラックレコーダーってドラムやベースやギター・歌を重ね録りしてミックスをして、楽曲を作るときに使うアレですよね。

でも、あとから考えるとこれ、まさにうってつけで、よく勉強していらっしゃる店員さんでした。

その理由は…

  1. PCなど外部で作ったwavファイルをインポートできる
  2. クリック音はヘッドフォンにだけ出すこともできる
  3. クリック音はプリセットの他、外部で作ったwavファイルを指定できる
  4. MTRにしては比較的小さくて軽い
  5. 専用機なので、PCを使ったときに起こるようなトラブル(フリーズなど)が起こりづらい

特に 3は上位機種にもついていない機能ですが自分の場合これがないと成立しない、重要な要素でした。
5の専用機というのも結構重要で、macでライブをしているときにフリーズして動かなくなる状況を客として何回か目の当たりにし、あの気まずい思いは出演者としては味わいたくないなあと思っていました。ライブのときに音をリアルタイムで変えるなど複雑なことをしない限りはPCやmac、あるいはタブレットでなくてもよいですしね。



クリック音としてwavファイルを指定できる



これ、お店で説明されたのですが、解釈としては2つ考えられます。どちらでしょう?
  1. wavファイルで作られた1音をのクリック1音として割り当てられる?
  2. 長いwavファイルを、クリック音の代わりに連続で流せる?

答えは2で、あるトラックにwavファイルをロードしておいて、クリック音(メトロノーム)としてそのトラックを指定すれば、クリックが鳴るべきところでそのトラックの音がそのまま鳴ってくれます。

通常のトラックとして使うのと、クリック音としてトラックを指定するのと何が違うのかというと、
クリックは出力先をマスターの出力、ヘッドフォンの出力別々に指定できるのです。練習の時にバンドメンバーにもクリック音を聞いてほしいときはマスターとヘッドフォンに出力、ライブの時はヘッドフォンだけに出力など。

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トラック自体がクリック音として使えると何がよいのかというと、PC上で開始の合図などをあらかじめクリック音にミックスして作り込むことができます。この音が鳴ったら開始、など。プリセットのクリック音だとこうはできませんね。とても重宝しています。

つまり、PCではシンセ音・クリック音を作って別々のファイルとして出力し、各トラックにそれぞれインポートしてクリック音のトラックはメトロノームとして指定しておけばよいということになります。

ライブで使えるシーケンスモード



R8は他の多くのMTR機材と同じで、1曲ごとにプロジェクトというものを作り、その中に複数のトラックを作成していくという流れをとっています。これ、曲作りの時にはしっくりする流れなのですが、同期演奏をしたいだけなのに曲が変わる度にメニューからプロジェクトを選んで…というのをやるとライブのよい空気感をそこなってしまう場合があります。
そこで、R8にはシーケンスモードというものが存在し、ライブなどの進行に合わせてプロジェクトの順番を決めておくことができます。シーケンスモードで再生をするとあらかじめ指定していた通りに再生が連続的に行われます。止めたいときは停止を押せばよいし、次の曲にいくのも簡単です。ちょっと操作が特殊ですが慣れると便利です。

※シーケンスモードを使うには「マスタートラック(ミックス済みトラック)」をあらかじめ作っておく必要がありますので、お忘れなく!

実は一石四鳥



このR8、同期演奏の他、そもそもMTRなので前述した重ね録りにももちろん使えるのですが、ASIO対応のオーディオインターフェースとしてDTMでのギター録音などにも使えますし、さらにつまみ類はDTMのMIDIコントロールパネルとしても使えます。自分はこれらの用途では使ってませんが、いろいろ機材そろえたい人にはこれだけでそろってしまうというのも魅力だと思います。



注意点をひとつ。



ヘッドフォン出力とマスター出力、どちらにも出力レベルの調整つまみがついていますが、マスター出力をライブのときにうっかりいじってしまうとオオゴトになってしまいます。自分でどの位置に合わせているか覚えておき、演奏前に常に確認することがだいじです。

しかしZOOMはユーザー目線のよい製品をつくりますなー。値段も魅力

ZOOM R8 MTR
ZOOM R8(サウンドハウス)

軽いシンバルホルダーがほしい!

基本的にスタジオやライブハウスに備え付けのドラムをたたくアマチュアドラマーにとって、自分で買うドラムのタイコやシンバル、パーツ類に必要な3要素があります。

1. その音が好きであること
2. 手の届く金額であること

ここまでは当然と言えば当然ですが、アマチュアならではの要素として

3. 持ち運べる程度に軽いこと

というのが絶対必要です

初心者の段階で必ず買うのがスティック、ある程度たたけるようになってきたドラマーがそろえていくのが、スネアドラム、フットペダル、そしてシンバル…道具が増えるに従って自分のこだわりの音が出せるようになってくるのですが、ドラムの道具はそれぞれに重いです。特にシンバルは、本体に加えてそれをセッティングするためのアタッチメント(=シンバルホルダー)も持って行かなくてはなりません。さらにこのアタッチメントがパワーヒットに耐えるべく、質実剛健で金属の塊なのでかなりの重さ。それだけで「持たない理由」になってしまうのです。

とはいえ、スプラッシュシンバルでどうしても使いたい音があって、しばらく「シンバルスタッカー」を使っていました。写真では上の固定ネジは普通のネジになっていますが、最近は改良され、ワンタッチで取り外せるやつになっているのでセッティングが楽です。

シンバルスタッカー
dw シンバルスタッカー(サウンドハウス)


これ、機能的にはとてもよいのですが、自分としては見た目的によいセッティング方法が編み出せず…。

ということで軽いシンバルホルダーを探していたのですが、ついに見つけました!おすすめです!

組み合わせで使うシンバルホルダ

TAMA の LCYE と LP の LP592 のアタッチメント部分、という組み合わせ技です。
実はカウベルホルダーとして LP592B(パーカッションクロー)を持っていたのですが、↓こちらの記事でLCYEとパーカッションクロー(のクロー(=爪)部分)の組み合わせがイケるとわかったのです。

TAMA/LCYE & LP/Splash Claw (注:リンク切れで↓)
小型で超軽量のスプラッシュアタッチメントを考案した話(注:こっちに変わったそうです)

LPのおすすめではスネアやフロアタムにつけることになっているのですが、
以前のパーカッションクローの経験から、(形を選びますが)多くのタムに付けることも可能です!
つけることができないタムは、タムホルダとタムがリムのところでくっついている方式、というか、タムにホルダーが直接刺さっていなくて余韻を残そうとしてる方式だと、リムのまわりに邪魔なものがついていてうまく固定できません。その場合はつける位置を工夫するか、あきらめてフロアタムにつけましょう。フロアタムにスプラッシュだとライブでマイクが拾ってくれるかな、という問題もありますが。

さて、サウンドハウスで見てみると、LCYE と LP592A(マイククロー)どちらも特価中!
LP592のあとのBとかAというのは何かというと、アタッチメントについているアームの違いです。 Bがパーカッション用の棒、Aがマイク用のスタンド(?)です。でも使うのはアタッチメントの部分だけなのでどれでもOKです。

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ということで、今回はLP592Aを買ってみました。これと…

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TAMAのLCYEを、

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こんな感じでくっつけるのですな。
これもシンバルの固定ネジはワンタッチのやつなのでセッティング時のネジ外しの手間はありません。

最初は口径がきつい

記事にも書いてありますが、口径が結構ぎりぎり(というか入らない)なのですが、いったんネジをはずしてからぐりぐり回転させながら挿せば穴がひろがってうまく入るようになります。その後でネジをつけて改めて取り付けます。

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ちょうどいい

ツータムの場合はスプラッシュとミニチャイナが付けられますね!

たたくときはちょっと気をつけて!

LPは強打しないように、と言っていますが、おっしゃるとおりライブでカウベルホルダーとして使っていたときだんだん下がってきたこともあります。カウベルホルダーのときはアームがちょっと長くてバランスがイマイチだったのですが、LCYEはアームが短いので安定度は少し上がります。普通にポップ~ロックあたり(主観)で使う分にはそれほど気にすることもないのではないでしょうか(ヘヴィな用途の場合はちゃんと質実剛健なシンバルホルダを使うとして…)。ただしライブの前はちゃんとついているかどうかしっかり確認してくださいね!
これは軽いし使える!!

追記

ここで紹介している LP592シリーズは残念ながら廃盤になりました。
…が、今はLP592B-Xという名前でモデルチェンジ版が売られているようです。


パーカッション・アタッチメント LP592B-X
LP LP592B-X(サウンドハウス)


シンバル用Lロッド
TAMA シンバル用Lロッド(サウンドハウス)



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